誰も知らないやり方で

音楽とか映画とか本とか日常をネタバレありで考察するブログ

【映画】心のままに【玉置浩二物語】

f:id:trodan:20170725161815j:plain

躁鬱病をテーマにした恋愛映画。

冒頭でJames Brownの『I Feel Good』がかかり、飛び降り騒動を起こしたり、金をばら撒いたり、クラシックコンサートへ乱入して指揮する辺りまでは手際が良く、感心した。

リチャード・ギアが銀髪で精神病の天才音楽家という設定のため、なんとなく玉置浩二に見えてくるのだ。

f:id:trodan:20170725162317j:plain

ギアの自己制御ができず苦しむ演技がなかなか上手く、ただの鬱よりも「躁を伴う鬱」の方が厄介であることが伝わってくる。

レナ・オリンの知性的な顔立ちも印象的。

90年代ハリウッド特有の虚飾感もトレンディ(死語)でよろしい。

 

後半はとくに何もなく、いつものリチャード・ギア的な恋愛映画に陥ってしまうので退屈。

ギアの出世作愛と青春の旅だち』に『カッコーの巣の上で』とか『レナードの朝』をテキトーに混ぜ込み、「ヒューマニズム汁」を柄杓でぶっかけて無理やり完結した感じ。

全然仕上がっていない。

少なくとも、セラピーシーンをもっとリアルに描写すべきであった。

 

好意的に見れば「精神病は病院じゃなく個人の愛で癒されるもの」という主張を汲み取れなくもないが、それにしても筋が甘い。

たいした展開もないから、「精神科医と患者の恋愛」というタブーを乗り越えたように見えないのである。

生来お気楽そうなリチャード・ギアロビン・ウィリアムズジャック・ニコルソンの代わりが務まるとも思えないから致し方ないのか・・・

 

それにしても、リチャード・ギア「何にも考えて無さそう感」は独特の魅力があるな。

石田純一的な隙の多さというか。

さすがにみうらじゅん賞を受賞しただけのことはある。

 

1993年 アメリカ 114分

【評価】40点

【原題】Mr. Jones

【監督】マイク・フィギス