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【漫画】森恒二の島【サワダの顔芸】

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※具体的なタイトルを書くとグーグル先生からお叱りを受けるので、『森恒二の島』と表記させていただきます。

 

基本的には無人島を舞台とした『ホーリーランド』的な引きこもり少年の成長物語。

作者の語り、農耕や漁業についてのウンチク、バトル要素、といった点から白土三平作『カムイ伝』の現代版と言えなくもない。

 

主人公は早々に覚醒して成長してしまうし、キャラの暗い過去などもけっこうありきたりだし、導き出された答えも『命と自然に感謝しよう』なのでとくに目新しいものはない。

そのため中盤以降多少グダるのだが、全体的には面白かった。

エログロをけっこうちゃんとやってくれたからであろう。

初めて鹿を追うシーン、ミノルの死辺りがハイライト。

 

そもそも島の環境が良く、漁業や狩りがそれほど困難ではないため、話を引っ張るためにサワダ(ヤク中〇モ)とカイ(サイコパス)というものすごくわかりやすいジョーカーが紛れ込んでいるのだが、こいつらがちょっと微妙なんだよなぁ。

サワダはただのアドレナリンジャンキーで、アヘ顔してるだけの雑魚なんだもの。

地獄の黙示録』で言うところのカーツ大佐や、『野火』におけるリリー・フランキーの役としては物足りない。

セイならいつでも仕留める事は出来たわけで。

カイも然り。

ただの打たれ弱いガキなんだよなぁ。

 

ラストで大半のキャラは島に残ることを選んだわけだが、このオチだと現代の都会で生きなければいけない私の教訓にはならない。

無人島でそこそこの暮らしができるんなら、疲れた大人はみんなそうしたいわけで。

「都会でサラリーマンをやるしかない」という我々の手本にはならないのである。

 

それにしても、先住民のおっさんは良いキャラだったな。

ルポライターのオダは脱出のキーマンになるかと思いきや、ただの空気キャラだったという・・・(実際には彼のGPSのおかげで島が解放されたわけだが)。

 

【評価】75点

【作者】森恒二