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誰も知らないやり方で

音楽とか映画とか本とか社会とかを考察してみるブログ。コメントはブクマでお願いしまスゥゥゥ

くるりとナンバーガールとスーパーカーについて今更語る

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2000年前後の音楽雑誌(いわゆるロキノン系)ではナンバーガールくるりスーパーカーが御三家扱いされていた気がする。

 

その中で言えば、くるりは最初からけっこう好きで、フロントマンの岸田繁さんと一度個人的なやり取りをする機会があったため、よく聴いていた。

岸田さんがガチの音楽好きであり、ただのロケンローラーではなく、クラシック、ファンク、HIP HOPを自己流に消化し、作品ごとに作風を柔軟に変えていったのも興味深かった。

強気な向井秀徳よりも、岸田さんの悩み深そうな佇まいに共感していた。

 

ナンバーガールは初期のギターロック路線がどうも感情移入できなかった。

ようするにイースタンユース的なんだけど、どうもなぁ。

ライブ映像では狂気しかない田渕ひさ子だけをひたすら眺めていた。

 

で、『NUM-AMI-DABUTZ』を聴いてひっくり返った。

これマーク・スチュワートの全力版」じゃんと思ったのである。

脱力主義のポップグループに、長渕剛的な説教臭さを全力で込めてラップする向井。

その向井を吹っ飛ばす勢いでギターを掻きむしる田渕ひさ子、これは完璧だった。

その後、向井がZAZENでファンク路線を強めたのは大正解。

 

そんでスーパーカーなんだけど・・・

ホント見逃してたのよね。

当時の自分はファンクやHIP HOPに染まり切っていたし、個人的にエレクトロニカ系ロックが苦手つーのもあってさ。

 

先日たまたまラジオでNONA REEVES西寺郷太さんがスーパーカーを絶賛していたのを聞き、そういや私の好きなノーナの『透明ガール』も元スーパーカーの人(いしわたり淳治)が作詞してたなと思い出し、聴いてみたら、ストンとハマった。

 

ピクシーズジザメリソニックユースマイブラを日本語の歌ものにした感じで、「俺が求めていたシューゲイザーはコレ!」と大変納得させられたのである。

とくに1stの「スリーアウトチェンジ」はフリッパーズがヘッド博士の『WINNIE-THE-POOH MUGCUP COLLECTION』とかでやりかけていた路線を突き詰めているかんじで、モロ好みだ。

 

解散理由はバンドメンバーの不仲が原因らしい。

にわかなので詳しい事は言えないが、作曲と歌を担当しているナカコーとフルカワミキが作詞担当のいしわたり淳治と口もきかないレベルで敵対してしまったとか。

ナカコーは公然と「作詞なんぞどうでもいい。いしわたり以外のメンバーは信用している」と語るなど、相当なレベルでいしわたりを嫌悪しており、それを隠そうともしていない。

いしわたりも然り、歩み寄ろうとはしていなかった。

 

デビュー当時のフルカワミキがアフロヘアをしていることから、彼女のパブリックイメージである少女趣味は、いしわたりによる演出であったようだ。

そりゃこういうアグレッシブな姉ちゃんが、少女漫画みたいな歌詞(めっちゃ良い歌詞ではあるが)を歌わされてたらストレスも溜まるわな。

ラストライブでの『Lucky』の映像を見ると、こんな歌詞で歌いたくないという気持ちが全面的に出ている(とくにナカコー)。

 

いしわたり淳治はその後、芸能系のミュージシャンに詩を提供していることから、「売れる事は現実的かつ重要な評価」と明言している松本隆に通じるものがある(まぁ松本隆は万能すぎて比較対象にならないかもしれないが)。

ナカコーはおそらくそういったものに迎合するタイプではない。

フルカワは色々とメディア露出もあるようだから、そこはまぁ女性だし、ほどほどに柔軟なのかな。

 

ドラムの田沢公大は、現在一般職についていたり、2ちゃんねるのファンスレにうっかり降臨したり、PVでも明るい表情を見せたりしているので、たぶんメンバーの中では最も気の良い兄ちゃんなのだろう。

ドラミングにも癖がなくて、どの曲にもマッチしている。

バンドはドラマーで決まる」、これは絶対真理なので普通っぽいからという理由で田沢公大を軽視はできない。

 

漫才コンビも仲が悪い方が面白いという説もあるし、ビーチボーイズビートルズでもメンバーの不仲は相当なレベルであったわけで。

メンバー間の不穏が、スーパーカーというバンドにマジックをもたらせていたのかもしれない。

まぁストーンローゼズですら再結成したわけだし、永久不変に不仲が続くわけもないので、我々外野がとやかく推察する必要なんかないよな。

 

今のところ一番好きな曲。ノイズの塩梅が完璧。

SUPERCAR - 『Love Song』