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中山康樹とビーチボーイズとクワタと

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亡くなられた中山さんの著書は彼自身の自伝も含めて20冊ぐらい読んだことある。

手元にあるのは8冊ぐらいかな。

20年ぐらい前、雑誌で萩原健太佐野邦彦と共にビーチボーイズ対談しているのを読んだのが彼を知るきっかけだった。

私にとって音楽の良き先生が萩原健太さんだとすると、中山康樹さんは悪い先輩のような存在でしたね。

 

この人、かなり癖のある評論をするから嫌ってる人も多いのよ。

天才信仰が強くってさ、「天才を理解しない周囲の人達を悪役にしたてあげて論じる」ってことを度々やるわけ。

ビートルズで言えばオノ・ヨーコや後期ジョン・レノン(ソロ含む)、ビーチボーイズで言えばマイク・ラヴビル・エヴァンスで言えばエディ・ゴメスをしばしば批判していた。

後年は大西順子菊地成孔山中千尋を攻撃する本を出してたな(この本はつまらなかった)。

 

中山さんは一時期熱狂的なプロレスファンだったから、善玉と悪玉に分けて論じたほうが盛り上がると思ってやってたんだろうね。

私は彼の批評スタンスが好きでした。

おかげで「中山史観」が刷り込まれてしまったから、払拭するのがなかなか大変だったりする。

 

彼の代表作と言えばもちろん『マイルスを聴け』なわけですが、個人的に愛読しているのがビーチ・ボーイズのすべて』

ビーチ・ボーイズの全曲解説しつつ、トリビアもたくさん盛り込まれているから、これ一冊で大体の事情が把握できるんですよ。

曲によっては「誰がどの部分を歌っているか」を特定しているのもありがたい。

ビーチボーイズはファミリーバンドで声質が似ているから、誰が歌っているのかわかりにくいんだもの。

 

あと、桑田佳祐の全曲解説を決行した『クワタを聴け』も名著でした。

この本は「洋楽を全く聴かない典型的なサザンファン」からは散々な評価を受けたようですがね。

桑田佳祐がわざわざボブ・ディランの真似をして歌っている曲なんて山ほどあるのに、「この曲はディランっぽい」と書くと怒る奴がいるんだもの。

評論しようがないわな。