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【映画】スーサイド・スクワッド【オセロ松嶋】

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とかく『アベンジャーズ』や『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の劣化版と言われがちな今作。

一体どこが失敗していたのか?

 

アメコミ特有の幼稚臭さはあるものの、デッドショット、ハーレイ・クインジョーカー、カタナなどのキャラクターは一応立っていたと思うのだ。

パッと見は悪くない。

問題はキャラクターの外見ではなく内面にある。

 

こいつら全然悪人じゃないんだよ。

デッドショットは子供思いの良き父だし、ハーレイは恋人に従順な淑女、チャト・サンタナは家族思い、そんで悪の象徴でなければならないジョーカーが白馬に乗った王子様とは(たしかに顔は白いが)。

 

その上こいつらが不自然なほど仲間思いなのである。

いやね、悪党が集まった即席チームなわけやん?

なぜこんなにどいつもこいつもウエットなの?

チャトが酒場でくっさい過去を語りだした時、「アレ?今私が見てるの『ワンピース』でしたっけ?」と思ったわ。

 

そもそもデヴィッド・エアー監督は「不穏でアウトローな雰囲気を醸し出すのが上手いだけ」で、職業作家的資質のある監督ではない。

どの作品も詰めが甘くて、仕上がりきれてないもの。

エアーが『ストレイト・アウタ・コンプトン』のようなハーコー映画を撮るなら観てみたいが、彼に現実感のないアメコミ実写映画を撮らせても水と油である。

 

敵が何者なんだかよくわからんのも問題だよなぁ(画面も暗いし)。

なんか鰹節みたいにクネクネ踊ってたぞ、あの魔女。

せこい不意打ちで心臓奪ったら勝てるって、カタルシスなさすぎ。

そもそも敵も味方もどれぐらい強いのかよくわからん。

「女がバットで殴ったら勝てる怪物」って、それ弱くね?

デッドショットはただ銃撃してるだけだしさ。

 

音楽の使い方もストーンズやクイーンやエミネムのヒット曲を脈絡なくかけているだけなので、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』と比べてセンスに雲泥の差がある。

『Sympathy For The Devil』はこれまで何回映画に使われたんだ?

新鮮味全くなし。

エミネムの『Without Me』ってこの曲そもそもアメコミのパロディなわけで、パロディのパロディを本家のアメコミがやってどうすんのよ。

 

バットマンやフラッシュが悪者を捕らえているシーンは楽しかったから、悪党共が結束して脱獄し、バットマン一味に復讐する話にすればよかったのでは?

 

2016年 アメリカ 123分

【評価】25点

【原題】Suicide Squad

【監督】デヴィッド・エアー