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それは過労死だったのか?

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毎日会社で顔を合わせていた清掃員のおばさん(62才)が先日亡くなった。

清掃のおばさんに多い話好きのガチャガチャしたタイプではなく、わりと物静かでチャーミングな方だったので、それなりに好感を持っていたのに・・・

 

ほぼ突然死だったのだが、今思い返すと彼女(仮にAさんとする)が亡くなる兆候はあったと思う。

亡くなる一か月ほど前の出来事。

大便器から水があふれ、床が水浸しになっていたので発見者がAさんに床清掃をお願いした。

するとなぜかAさんは腹を立て、「急にそんなこと頼まないでください!」と声を荒げた。

当然のことだが、便所掃除は清掃員の仕事である。

皆緊急対応はしているし、Aさんだってこれまで何度も緊急清掃をやっていたはずだ。

結局部長がAさんをなだめて、清掃はしていただいたのだが・・・

その時の私は、Aさんにたまたま仕事が立て込んでいたのか、あるいは更年期障害によるヒステリーが原因なんだろうと推測していた。

実際のところ、彼女は限界だったのである。

 

Aさんが亡くなった次の日、彼女の旦那から会社へ猛クレームがきた。

曰く「滅茶苦茶に働かせてお前たちが殺したんじゃないか」と。

私たちにはこの抗議の意味がよくわからなかった。

というのも、Aさんは一日二時間ぐらいのパートだったし、遅番だから仕事量も他の清掃員より少なかったのである。

どう見積もっても過労死するような条件ではない。

 

ところがよく事情を聞いてみると、Aさんは清掃業の他にもスーパーのレジ打ちなどのパートを同時にいくつかこなしていたという。

ダブル(あるいはトリプル)ワーカーだったわけだ。

うーむ、それほど生活が苦しかったのだろうか。

だとしたら妻にそれだけ働かせていた旦那に原因があるような気がするのだが、夫婦の事情は他人が推し量れるものではない。

 

彼女の訃報を聞いた時から、私はなんだか気が重くなっている。

所詮貧乏人は死ぬほど働かされて、たいして報われることもなく、ある日突然に時計が壊れて動かなくなったかのように、あっさりと死んでしまうのだろうかと。

まあ認知症になって看取る家族もない状況で、老人ホームで無理やり生かされ続けるよりはマシかもしれんが。

人間の一生って本当によくわからんね。