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元オウム真理教幹部、上祐史浩が呂布カルマとラップをやった件

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「HIP HOPとラップは違う。HIP HOPはカルチャーであり、ラップは歌唱法に過ぎない。ラップ自体は誰でもできる」

というのはHIP HOPとラップの関係を語る上での常套句なわけだが、誰でもできるとはいえ、あの上祐がラップするとなるとさすがにたじろぐ。

 

9SARI HEAD LINE #番外編VOL.9「上祐史浩オウム真理教の光と影を垣間見る」

この「炎上BOYZ」という企画は鎖グループがYOUTUBEにて不定期に行っている企画で、これまで加藤紗里(不倫と整形ネタ)、田代まさし(シャブネタ)、成宮寛貴の友人A氏(週刊誌ネタ)が登場した。

 

フォーマットとしては毎度前半でゲストの言い分を神妙に聞いて、後半にMC漢とD.Oが「お前それ本当かよ」とラップでツッコミ、フックをゲストがラップするという流れになっている。

 

加藤紗里の場合はラップ素人なので難航したが、田代まさしはさすが元ミュージシャンという事でスムーズに録音されたようで、友人A氏に関しては鎖グループの新メンバーと紹介されても違和感がないレベルで溶け込んでいた(ある意味ハスラーだし)。

MSC周辺のビートを流用しているため、どれも出来は上々である。

 

今回の上祐史浩編、ネタがネタだけに漢も相当慎重にインタビューしている。

D.OがWREPでやっているラジオの発言によると、この「炎上ボーイズシリーズ」は彼らなりの「ジャーナル」としてやっているようだ。

つまり「世間ではこう言われているけど実際のところはどうなの?」という問いかけが狙いであり、むやみやたらに燃えそうな人を呼んで悪ふざけしているわけではないと。

テレビで言えば小籔千豊がスカパーでやっている『BAZOOKA』のようなニュアンスか。

 

小出恵介をハメた人物と目されている「セラミック松村」も検討したが、危なすぎてスルーしたとのこと(弁護のしようがないのか、それとも恐ろしいバックがいるのか・・・)。

 

上祐氏の主張をまとめると

  • サリン事件があってからオウム及び宗教団体に対して不信感をもっており、脱退後は思想教室をやっている
  • 宗教は神の命令に背けないので危険。多様な価値観を持たなくてはならない

というような内容であった。

べつにおかしなことは言っていないが、彼はああ言えば上祐と言われたほど弁の立つ人物。

その場に合わせてもっともらしい事を述べるのは得意中の得意であろう。

アウトサイダーを肯定する発言は、鎖及びヒップホップへの目配せに見える。

 

オウム真理教に関する私の感想を述べる。

オウム真理教は少年期に盲人扱いされてプライドを傷つけられた松本智津夫という自己愛性人格障害者が、己の権力欲を満たすため「勉強はできるけど目標のない意志の弱い連中」を抱き込み作った組織である。

概ね「ハルマゲドンが起きて人類滅亡するけどオウム入っとけば安全安心」というのが勧誘文句であったようだ。

組織を存続させるためには共通の敵が必要となるため、国家や反対する弁護士達を仮想敵と見立て、攻撃した。

つまり、ハルマゲドンが来ないから自分達でハルマゲドンを起こしてしまったのである。

なんか、イラク戦争における大量破壊兵器云々の話に似てるな(実際、アメリカが保有している以上の大量破壊兵器なんてイラクにはなかった)。

 

地下鉄サリン事件に関して考えてみたい方は村上春樹の『アンダーグラウンド』を読むのが一番良い。

村上春樹をなんとなくのイメージで悪し様に語っている人は絶対にこの本を読んでいない(あと『意味がなければスイングはない』も読んでなさそう)。

 

欧米人がキリスト教を信仰しているのと違って、日本で新興宗教にハマる奴ってロクに音楽聴いてないダサい奴ばっかりなんだよなぁ。

音楽に没頭してたらミュージシャンが自分の神になるわけで、麻原彰晃なんぞを神と拝めていた奴らは笑止千万ですよ。

私は音楽に狂った事のない人間は誰であれ信用してないです。

ジェームス・ブラウンブライアン・ウィルソンがマイゴッドですから。

 

閑話休題

炎上ボーイズのラップ部分は、上祐の語ったなんとなくよさげな話に疑問を投げかける内容になっており、被害者に対する気遣いが窺える。

PVも秀逸、当時オウムがやっていた選挙活動をマッシュアップしている。

上祐のヴァースはすこぶる胡散臭く編集されており、それを承知でラップしているわけで、彼はなかなか洒落のわかる人物なのかもしれない。

 

もう一人のゲストは呂布カルマ。

たぶん、信奉者が多くて宗教とか教祖様とか言われてるからブッキングされたんだろうな(晋平太とR指定呂布を教祖様弄りしてたし)。

呂布のヴァースは言うまでもなくいつも通り、平常運転。

この人は自ら「俺はもうすでに完成形」と語っているように、音源でもライブでもバトルでも何時何時でも呂布カルマである(そこが良さであり、時に物足りない)。

「俺は草食系日本男児という草ネタをぶっこんだのは上手い。

鎖と共演する意味をわかっている。

 

社会派ラップという意味で言えば、炎上ボーイズシリーズ最高傑作だと思う。

収益を「全国被害者支援ネットワーク」に寄付するのも偉い。

ただ、オチの「ないないない」は激弱。

呂布が来た!」ってそりゃ来るやろ、後輩なんだし。

あと「上祐ギャル」とは一体何だったのか?

聞いてほしかったなぁ~。

 

今回のネタ、R指定のこの曲に全てが集約されている。

Creepy Nuts - 『みんなちがって、みんないい』。2:36~に注目