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【映画】魔法にかけられて【カマトトおばさん】

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「現実の人間がアニメの世界に迷い込む」という話はよくあるが、本作はその逆。

「ディズニーのお姫様たちがアニメの中から現実世界へ飛び出してくる」というお話。

 

全体的にディズニーの自虐ネタが詰め込まれている。

冒頭の小人ネタ(おこりんぼう)、鳥とか害虫を歌で呼び寄せる不衛生ネタ、そして何よりヒロインジゼルの年齢、一応かわいらしいんだけど小皺が目立つぜ。

話のテンポも良く、カルチャーギャップコメディとしてのツボを押さえているので、非常に見やすい。

ディズニーアニメ最大のタブーであるところの「性欲」がトリガーになってジゼルが成長するという流れも秀逸。

 

ま~とにかく、エイミー・アダムスのカマトト演技が完璧なんだよなぁ。

クルクル回ってる時のかわいらしさとうざさのハーモニー。

娘がわりと大人びているのも、エイミーとのコントラストとして面白い。

「エイミーが公園で歌いだすと周囲の人物もなぜか参加し歌い始める」というミュージカルシーンが一番のセルフパロディかもな。

タモリは「ミュージカルは突然歌いだすのが不自然で気持ち悪いから嫌い(大意)」と語っていたが、そういう違和感を逆手にとってギャグにしているってわけ。

 

王子は「都会へ行ってどんどん垢抜けていく彼女にフラれてしまう田舎のボンボン」みたいで笑える。

ようするに「逆木綿のハンカチーフ」ですな。

自分のキスで目覚めないと知ったとき、いさぎよくロバートに役目を譲った所に育ちの良さが出ている。

 

魔女の継母は微妙。

登場して車に電撃をくらわす辺りは良かったが、基本的に説明台詞が多いし、竜に変化する必要性があまりないため、終盤の消化不良を招く原因になっている。

リスのピップもこの手の映画に出てくる「小動物キャラ」として、もひとつインパクトがなかった。

家来役のティモシー・スポールは、さすがにこういうこずるい役をやらせたらピカイチと言える。

終身名誉小悪党ですな。

 

私って基本的にテンポの良いコメディとミュージカルが好きなんだよね、ストーリーとかはべつにどうでもいい。

映画館に音楽聴きに行ってるってわけ。

挿入歌の『That's How You Know』がヴァン・ダイク・パークス的で最高だった。

ディズニーだからかしらんが、英語の発音が明瞭で聞き取りやすいのも好ポイント。

2007年 アメリカ 108分

【評価】70点

【原題】Enchanted

【監督】ケヴィン・リマ