誰も知らないやり方で

音楽とか映画とか本とか日常をネタバレありで考察するブログ

【映画】ヘイトフル・エイト【やさぐれ女】

f:id:trodan:20170630101311j:plain

バイオレンス、復讐劇、時系列シャッフル、章立て、長めの無駄話、グラインドハウス感、黒人ネタ、ホモネタ、どこをとってもタランティーノらしさが詰まった佳作。

ヘイトフル・エイト』という題名だが、タランティーノは常にヘイトについて撮っている作家で、ヘイトがフルでエイトもあるんだもの、面白くて当然。

 

音楽は西部劇の巨匠エンニオ・モリコーネが担当。

格調があって良いけど、「既存曲のサンプリングで不意をつく」というタランティーノの十八番がなかったのは残念。

とはいえラストにロイ・オービソンを使用しているのはさすがの一言。

タランティーノはほんっと音楽わかってるわ。

 

「雪山小屋での出来事」という設定に説得力を持たせる演出と美術が見事だが、一番の見所はジェニファー・ジェイソン・リーのやさぐれ女っぷりであろう。

なんだろうな、あの一見して「やさぐれてる」としか言い様のない雰囲気は。

殴られるのが似合う女ってそうそういないぞ。

 

ミニーの登場シーン、リンカーンの手紙の全文など、これまでのタランティーノならマクガフィンとしてあえて描写していない部分を、あっけらかんと見せてくるのは意外だった。

パルプ・フィクション』で言えば鞄の中身を見せているようなもんだからなぁ。

タランティーノは徐々に正統派になっている気がするが、面白いから問題なし。

 

2015年 アメリカ 168分

【評価】75点

【原題】The Hateful Eight

【監督】クエンティン・タランティーノ